桜 いろ 舞う 頃。 新たな息吹に包まれる桜舞う頃

新たな息吹に包まれる桜舞う頃

桜 いろ 舞う 頃

新たな息吹に包まれる桜舞う頃 移ろいゆく時の狭間に咲く瞬間の華 | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | | 一瞬の間に咲いて、一瞬の間に散る桜。 桜には、移ろいゆく時の狭間に咲く瞬間の華があります。 「おかめ」は、 多くの品種を集めたイギリスのプラントハンターだったイングラム氏が、 自ら作ったマメザクラとカンヒザクラの交雑種に名づけたそうです。 純白、または淡紅色の花を咲かせる大島桜は、 伊豆大島など伊豆諸島に自生する桜だそうです。 さとざくらの母種で丈夫で生長も早いので他のさくらの台木になるそう。 また、桜餅は大島桜の葉を塩漬けにしたものを使っているのだそうです。 薄緑色の桜、御衣黄(ぎょいこう)。 とても神秘的な桜です。 ウコン ウコンザクラは、 ウコン色 鬱金色 と呼ばれる淡黄緑色をした八重咲きの花を咲かせます。 しょうがの仲間のウコンの根を使って染めた色に似ていることから この名前がついたそうです。 里桜の代表品種といわれる松月。 大輪の八重咲きで、淡桃色の花は次第に白色になるそうです。 春の彼岸の頃に開花するという彼岸桜。 彼岸は、煩悩と迷いの世界である此岸 しがん にある者が、 修行をすることで、「悟りの境地、彼岸 ひがん へ到達することが出来るのだそうです。 春の彼岸は、3月の春分の日をはさんで前後3日の合計7日間だそうです。 他の桜に先駆けて咲くというカンヒザクラ。 まだ寒い早春に、新らしい葉より先に、 緋色または濃桃色の小花を、枝一杯に咲かせます。 カンヒザクラは、別名ヒカンザクラ 緋寒桜 と呼ばれるそうで、 ヒガンザクラと混同してしまいそうです。 鎌倉生まれの「玉縄桜」は、 鎌倉にある神奈川県立フラワーセンター大船植物園にて ソメイヨシノの自然交雑実生(みしょう)株から選抜育成したもので、 地元の由緒ある地名の「玉縄」を冠して名付けらたそうです。 ソメイヨシノよりも20日ほど早く咲き始め、 約1カ月にわたって見ごろが続くのが特徴だそうです。 カンヒザクラとシナミナミザクラの交雑種だという春めき。 神奈川県南足柄市内の農家などで彼岸のころに咲いていた桜の枝から育成し、 2000年3月に品種登録されたそうです。 バラ科サクラ属の耐寒性落葉低木、花桃(はなもも)。 白いはなもも キクを思わせる独特の花形の品種、菊桃(キクモモ)。 濃いピンク色の花を咲かせます。 静岡県賀茂郡河津町にピンク色の花を咲かせる河津桜。 オオシマザクラ系とカンヒザクラ系の自然交配種と推定されているそうです。 緑がかった体色をしているメジロ。 目の周りの白い輪からメジロという名がついたそうです。 慣用句の「目白押し」は、 メジロがお互いに押し合うように、ぴったりと枝に並ぶことから転じて、 込み合っていること、物事が多くあることを指すそうです。 メジロは鳥獣保護法により原則的には捕獲できないそうです。 薄いピンク色の八重桜、イチヨウザクラ 一葉桜。 新宿御苑に多くあるそうです。 ソメイヨシノが咲き終わった後に、 大きくて濃桃色の八重の花を咲かせる関山(カンザン)。 関山は、サトザクラの八重咲き品種で、八重桜の代表とも言われるそうです。 フゲンゾウ サトザクラの代表的な品種といわれる普賢象 フゲンゾウ。 花の中心から二本の緑色の葉のようになった雌しべが突き出て 先端がそり返っているところを普賢菩薩の乗った象の鼻に見たてといわれています。 おおじょうちん 純白、または淡紅色の花を咲かせる大島桜は、 伊豆大島など伊豆諸島に自生する桜だそうです。 タオヤメ 純白、または淡紅色の花を咲かせる大島桜は、 伊豆大島など伊豆諸島に自生する桜だそうです。 シロタエ 純白、または淡紅色の花を咲かせる大島桜は、 伊豆大島など伊豆諸島に自生する桜だそうです。 いもせ 純白、または淡紅色の花を咲かせる大島桜は、 伊豆大島など伊豆諸島に自生する桜だそうです。 おもいがわ 純白、または淡紅色の花を咲かせる大島桜は、 伊豆大島など伊豆諸島に自生する桜だそうです。 桜の名所として、 毎年シーズンには1日約30万人が訪れるという上野恩賜公園。 江戸時代に、寛永寺の天海僧正が 境内に多くの桜の木を植えたことが始まりだそうです。 約50%占めるソメイヨシノを中心に、オオカンザクラ、山桜など 約1,000本の桜が一斉に咲き誇るそうです。 東京タワーの袂にある芝公園は、日本で最も古い公園の一つだそうです。 公園内には、 ソメイヨシノ、サトザクラ、ヤマザクラなど約200本の桜があるそうです。 美しい日本庭園として知られる三溪園。 ソメイヨシノ、山桜、オオシマザクラ、しだれ桜など 約300本が植えられているそうです。 横浜最古のお寺だという弘明寺。 弘明寺の門前町を流れる大岡川は桜並木が続き、 ライトアップされた桜にぼんぼりが、春の夜の幻想的な世界にいざないます。 鎌倉・鶴岡八幡宮に続く段葛。 段葛は、頼朝の御台所の北条政子の安産を祈願して造らせた道だそう。 白川の澄んだせせらぎと情緒ある格子戸の町屋が続く祇園白川は、 国の伝統建物保存地区に指定され昔の祇園を色濃く残す一角だそう。 白川沿いのしだれ桜、染井吉野のさくら並木は 祇園の情緒を体感させてくれる所です。 京都御所は、 その古来の内裏の形態を今日に保存している由緒あるもので、 現在のものは安政2年 1855年 の造営だそうです。 紫宸殿を始めとし、清涼殿、小御所、御学問所、御常御殿など 平安時代以降の建築様式の移りかわりをつぶさに見ることができます。 国宝 左隻 狩野長信筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館 満開の花の下で男装の女たちが踊っています。 にぎやかな音曲や人々の笑い声も聞こえてくるような生命感あふれる画面です。 公家が穏やかな風景の中で観桜する江戸時代のやまと絵の典型的な絵だそうです。 このような器で飲んでみたいですね。 内外に白泥と赤彩で満開の桜樹を表し、巧みに配された透かとで、 桜の空間を作り出しているそうです。 花びらが散る中、枝には緑が芽吹いていました。 祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへにに風の前の塵に同じ。 Copyright C 2012 MOON WATER All rights reserved.

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中島美嘉 桜色舞うころ 歌詞

桜 いろ 舞う 頃

銀色の桜 舞う頃 銀色の桜 舞う頃 Never can say Good-bye 挿絵と桜の花びら:明良 ・・・・・・なあ 弥勒・・・・・・ 長かったな・・・・・・ ・・・・・・ああ。 そうだな・・・・・・ ・・・・・・そろそろ いくのか・・・・・・ ・・・・・・さすがに もうこれ以上は・・・・・・ おまえこそ いいのか・・・・・・ ・・・・・・おれは弥勒と ずっといつまでも 一緒だ・・・・・・ その日の夕暮れ、犬夜叉が数日振りに楓の村へ帰ってみると小屋には弥勒はいなかった。 代わりに殺生丸が連れていたはずのりんがいて、楓の手伝いをしながら夕餉の支度をしていた。 「あ、犬夜叉さま!お帰りなさい。 弥勒様はご一緒じゃなかったの?」 嬉しそうに駆け寄ってきたりんに少し戸惑いながら、犬夜叉は楓へと視線を向けた。 「帰って来たのか、犬夜叉。 殺生丸がりんを預けに来たんだが、おぬしとは会わなかったのか」 「けっ!知らねえよ。 なんであいつが。 それより弥勒はいねえのか?」 犬夜叉は傾いた西日が山の上へとかかるのを気にするように外を眺めながら、小屋の隅へと寝転んだ。 「殺生丸さまは妖怪たちがまた悪さを始めないように、邪見さまと遠くまで見周りに行きました」 「犬夜叉よ、おぬしも気づいておろう。 法師どのは隣村へご祈祷に行っておる。 もう戻る頃だ」 犬夜叉たちが奈落を倒して、しばらくはおとなしくなっていた妖怪たちがまたぞろ勢力を競い始めた。 奈落ほどの強大な力を持つ者がすぐにまた現れるとは思えなかったが、戦乱の世にはいくらでも 悪しき力の源となり得る人間たちの欲や妄念が次々と生まれ、闇の芽が妖しく蠢き始めていた。 かごめがこの世界へ戻って来ない今、強い退魔の霊力や法力を持つ者は数えるほどしか残っていない。 「けーっ!殺生丸の野郎、ここが一番安全だと嗅ぎ付けてりんを押し付けて行きやがったな」 それぞれの思惑に少々のずれはあれど、殺生丸も犬夜叉もそれを本能で感じて己の能力を磨くのに余念がなかった。 犬夜叉の場合、それはただ自分の大切なものたちを守りたいという一心であったが 桔梗に続いて、かごめという仲間が身近から消えた寂しさを紛らわせるためでもあった。 どこか面差しがかごめに似たりんは、殺生丸の言いつけを守ってかいがいしく楓の手伝いをしている。 「珊瑚と琥珀はまだ退治屋の里の片付けか?七宝はどうした?」 いつもなら楓の手伝いをしているはずの小狐と小猫の姿が見えないので犬夜叉は怪訝そうな顔をした。 「七宝なら。 狐神とやらのお使いが迎えに来て仲間の所へ行っておる。 特進昇段だそうな」 楓は面白そうに笑うと鍋の蓋を取り、切った菜花を放りこむと湯気が上がり甘い匂いが漂った。 「おれ、弥勒を迎えに行ってくる」 弥勒が一人で出ていると知り、犬夜叉は鉄砕牙を引っつかむと一目散に小屋の外へと駆け出した。 「やれやれ、あやつは法師どのの事となると自分の事はおかまいなしじゃな。 」 丸く大きな赤い夕日が半分山の端へと隠れたのを見ながら楓は、小さくため息をついた。 「くそっ、殺生丸の臭いにも気づかなかったって。 もう鼻が利かなくなってやがるのか」 心臓は普段より大きく拍動を打ち、駆けて行く一歩ごとに脚の力が抜けて速度が落ちていく。 息を切らせながら村はずれの大きな木の近くまで辿り着いた頃にはすでに日は落ち、夕闇が迫っていた。 いつもなら、枝を渡り跳躍し、頂上まで登れば村外れまで見渡せるのだったが、生憎その日は朔であった。 「おや、珍しい。 そこにいるのは犬夜叉ですか?」 いきなり樹上から声がして、犬夜叉が見上げると薄暮の暗がりの枝の中に人影が見えた。 「そんなとこで何してんだ、弥勒。 早く帰らねえと楓ばばあが心配するぞ」 思ってもみなかった場所から思いがけず探していた相手を見つけて、犬夜叉は密かに安堵の息をついた。 「おや、おまえは心配してはくれんのか?山すそに遅咲きの山桜が綺麗です。 おまえも上がって来い」 朔の夜だと分かっていながら、からかうような弥勒の口ぶりにいつもなら突っかかって行くのだったが 「バカやろ。 月も無い夜に木登りしてまで酔狂にも桜見物なんかできっか。 おれは先に帰るぞ」 普段人間よりも強い力を持つ分、朔の夜には人一倍非力になる犬夜叉はぷいと膨れっ面をして歩を返した。 登りたくても爪も力もなく、夜目も利かず、普段訓練をしている珊瑚や弥勒にも劣ってしまうのが情けない。 けれど、弥勒が一人でそんなところにいたのも気になって離れられずにいると、バサリと風が起こり弥勒が降り立った。 「相変わらず艶やかだな、犬夜叉。 何度見ても黒髪のおまえは愛らしい。 薄暗いのでよく見えないのが残念だ」 「ばっ、愛らしいなんてゆーな!あ、弥勒っ、おまえ怪我してんのか?」 豊かに流れ落ちる漆黒の絹のような犬夜叉の髪に触れようとした弥勒の手を払いのけようとして その手首に布が巻かれているのが見えて、犬夜叉は慌てて自分の手を止めた。 「たいした事はない。 ちょっと油断しただけだ。 かすり傷です。 少し、歩かんか、犬夜叉」 いつの頃からか、犬夜叉は朔の夜でも人間の姿を他人の前へ晒す事があまり気にならなくなった。 あれほど劣等感を持っていた半妖であるという事実すらも、今では誇りにすら思えていて それはすべて、弥勒たち仲間とのふれあいやつながりの中で生まれ、培われてきた思いだった。 けれど、一つだけ。 どうにもならない現実として、弥勒たちとは時の流れを同じくする術が無いのだった。 「実は今日、祈祷中に追い出した妖怪が予想外の強者でして。 慌てた私は何をしたと思う?」 奈落の呪いの風穴が消え、身近に迫った命の危険は去ったとはいえ、人である弥勒の寿命はあまりにも儚かった。 「なんでおれのいないうちに勝手に行きやがった!おれが一緒にいればそんな雑魚は・・・・・・」 ゆっくりと、一緒に歩を進めながら問いかける弥勒へと犬夜叉が吠えかかろうとして 「風穴をね、開こうとしたんですよ。 こう右手を掲げて・・・・・・おかしいでしょう」 右腕を犬夜叉へと向け、皮肉な笑いを浮かべる弥勒に、出かかった言葉を飲み込んだ。 「ばか・・・・・・だな」 「ばかですよ」 晩春の、生ぬるく煙ったような星明かりの下を二人は黙って歩き続け 柔らかな雑草の新芽が伸びかけた野原を横切り、雑木林の入り口に辿り着いた。 そこはかつて犬夜叉が初めて、子供たちと薬草を摘む桔梗を見つけた場所だった。 あの頃犬夜叉が隠れるのにはまだ細く小さかった山桜の木も、50年を経た今では大きく枝を伸ばし 満開の花と柔らかな新葉をつけて、風も無いのに白い花びらをしきりと降らせていた。 「『願はくは 花の下にて 春死なむ』ですな」 新しく伸びかけた桜の若木たちを見上げながら、弥勒がふとつぶやく。 「ばか、死ぬな!」 「違いますよ、私じゃありません。 昔のある法師が詠んだという歌です。 『その如月の 望月の頃』と続くのですが、今宵は月が無いなと思って。 その法師は望み通り如月の望月に没したそうですが、さぞや桜が美しかったろうと」 春の宵はとっぷりと暮れ、桜の花の白さだけがぼんやりと浮かび上がって見える。 犬夜叉が黙って荒々しくその場へ腰を下ろすと、衣に煽られた花びらが雪のように舞い上がった。 「おまえはずっと、こんな闇夜をひとりぼっちで幾夜と無く重ねて来たんだな」 そっと、犬夜叉の後ろへ一緒に並んで腰を下ろし、弥勒は闇の中へ右手をかざしてみた。 はっきりと互いの顔も見えぬ闇の中では、声の調子の変化にも微妙な心の乱れが伝わって来る。 犬夜叉は、そんな弥勒の心情を知ってか知らずか、妙に明るく爽やかな声音で尋ねた。 「なあ、弥勒。 おまえ、珊瑚は嫌いじゃねえんだろ?夫婦にならねえのか?」 「なんです、藪から棒に」 「おれは珊瑚も七宝も大事な仲間だし、好きだから守りてえと思う」 「それは私だって。 しかしおまえに対する気持ちとはまた別の・・・・・・」 弥勒が妙に落ち着かないのが面白いのか、犬夜叉はいつになく余裕ありげに笑いながら問う。 「なあ。 人間はいつか生まれ変わって来るんだろ?ほら、前におめえが言ってた、りんねえー」 「輪廻転生、のことですか?」 弥勒の答えを聞いて、犬夜叉は自分の両腕を頭の後ろへ組んで草原へ仰向けに寝転がった。 「おれ、決めたんだ。 おれ、頭がよくねえから難しい事はわかんねえ、けど」 その声は、何かを吹っ切ったような、不安や疑惑を微塵も含まない声音で、弥勒の方が慌て 上体をひねって、隣へ寝転んだ犬夜叉の側へと両腕をついて尋ねた。 「な、何を決めたんです」 「おれ、弥勒がおれをおいて歳を取っていっても、ずっとおまえの側に居る。 んで、おまえや珊瑚や七宝を守ってやる。 んで、もしも・・・・・・」 「もしも?」 「・・・・・・もしも、おまえが先に逝っちまったら・・・・・・またおまえに会えるまで待ってる。 かごめが桔梗の生まれ変わりだって言うなら、おまえだっていつかまた生まれ変わって来るだろ?」 犬夜叉の静かな落ち着いた声音は途中から震え声に変わり、語尾には縋りつくような響きが混ざった。 「奈落が、風穴の呪いでおまえの一族の未来を断ち切ろうとしたのなら、おれはおまえの未来を繋ぎてえ。 おれではおまえの一族の未来は繋げねけど、それでもずっと弥勒と弥勒の側に居てえ。 虫のいい話かも知れねえけど、珊瑚ならおれの、おれたちの気持ちを分かってくれるだろ?」 「いぬ・・・・・・夜叉・・・・・・けれど、別に生まれ変わるなら私の子孫でなくとも・・・・・・」 半分感動し、半分呆気に取られつつも、弥勒はこの場にふさわしい言葉を探しあぐねる。 「おめえは悪徳坊主だからな!普通の人間よりも穢れている分、生まれ変わるのが遅いはずだ! だからさっさと珊瑚におめえの子を産んで貰って、代々の子孫を増やすんでえ!! おめえの血が濃い分、おめえがここへまた生まれてくる割合が高くなるだろ?」 星明かりではろくに見えない視野の中でも、犬夜叉がむきになって睨み付けているのが見える気がする。 弥勒は思わず吹き出し、同時にあふれ出す幸福感と犬夜叉への愛しさが堪えきれずに大声で心底から笑った。 「はぁ、苦しいっ!笑い死にしそうです。 まったく・・・・・・おまえというやつは」 犬夜叉の影は黙って起き上がると膝を抱えて座り込み、頬を膨らませて弥勒が笑い終わるのを待っていた。 「それでも、なあ?弥勒」 「なんです。 犬夜叉」 「おれは珊瑚におめえを『預ける』だけだからな!おめえはおれのもんだ!!だから・・・・・・だから・・・・・・」 段々と語尾が細くなり、頼りなげに震え声になった犬夜叉は、広い衣の袖の下へ頭を埋めて小さくなっていく。 弥勒は黙って右手を犬夜叉の頭へ差し出し、クシャクシャと荒々しく漆黒の絹のような髪の毛を撫でてやった。 「だからたまには、おれのことも・・・・・・そのっ・・・・・・側に居て・・・・・・欲しい・・・・・・って言ってくれるか」 犬夜叉は今、きっと黒いつぶらな瞳を潤ませて、捨てられた仔犬のような眼をして見上げているんだろうに と、灯がないことを口惜しく思いながら、弥勒はそっと犬夜叉を抱き寄せ、耳元へ囁いた。 「本当におまえはばかですな。 何があっても、私はおまえの側にいます。 おまえは私だけの愛しい者ですから」 (ばかってゆーな!このクソ法師!) 声に出して答えたら、泣いてしまいそうで。 犬夜叉は黙って、弥勒の腕をぎゅっと掴んで引き寄せて抱き締め返す。 そのとたん、ふんわりと上体が浮き、後頭部に手が添えられてそっと仰向けに弥勒の腕の中へ横たえられた。 弥勒が何をしようとしているのかわかっても、犬夜叉の心は静かに凪いでいた。 初めての時のような、恐れや不安や猜疑心は微塵も湧かず、かといって冷めているわけでもない。 「おれを全部やる。 弥勒が全部欲しい」 少しの恥じらいと、求められる喜びと与えられるぬくもりとを感じながら、乾ききった唇が言葉を紡ぐ。 「いい覚悟だ。 後悔すまいな?」 弥勒は犬夜叉に答える間も与えず、そっと唇を口づけで塞いだ。 しかし、弥勒の柔らかな唇はすぐにその場を離れ、犬夜叉の耳たぶに、首筋に、喉元にと移動していく。 くすぐるような軽い刺激と熱い吐息に、半妖の時よりも柔らかく刺激に敏感になっていた犬夜叉の肌が反応し 「んっ・・・・・・ん、ン・・・・・・んんっ!はぁっ」 堪えきれなくなった犬夜叉の口元から甘い吐息が漏れ、片膝を立てて地面を蹴り、身体が揺れ始めた。 弥勒の右手は宙を舞うように動き、手際よく犬夜叉の衣と袴の紐を解いて緩めて行く。 犬夜叉の前身頃を緩め、胸元を肌蹴ると心臓の上に震える小さな実を口に含み、舌先で味わう。 「かつてはここに、風穴があった。 今はこうして直に、熱いおまえに触れられるのが嬉しい」 「はぁうっ!ぁ・・・・・・っ、あっ・・・・・・やぁ・・・・・・っ!」 弥勒の右手は犬夜叉がすぐに達してしまわぬように、波が押し寄せ切る直前に快感のツボを微妙に外す。 焦らされるもどかしさと切なさに、身をよじろうにも弥勒の腕にがっしりと抱きすくめられ動けずに 犬夜叉は伸ばした手の先に触れた弥勒の手を掴んで握りしめ、両膝を立てるとゆっくりと自ら開いて行った。 弥勒のしなやかで長い指が犬夜叉の蕾を押し開き、奥深くまで探り始めた頃には擦れた喘ぎに嗚咽が混ざり始めた。 「いつもより感じるんだろ?もうすぐここに・・・・・・私をあげますよ」 一番感じる場所をクイと押されて、ビクリと跳ねた犬夜叉の身体を後ろから抱き上げ 小さな子供を膝の中へ抱き取るように犬夜叉を座らせて、弥勒は熱くなった自らを犬夜叉の背中へ押し付けた。 「欲しいなら、呑み込んでみなさい」 犬夜叉の腰へと両腕を添えてやり、ゆっくりと自らの切っ先へと犬夜叉の蕾を導いてやる。 小刻みに震えていた犬夜叉の腰は弥勒に触れた途端一旦動きを止め、再びゆっくりと落ちて行く。 必死で息を吐き、痛みを堪えつつも弥勒を呑み込みながら、犬夜叉の髪が闇に溶けるように舞う。 「桜が・・・・・・今宵の私たちを・・・・・・見ていますよ・・・・・・」 「弥勒、おれ・・・・・・ぁあ・・・・・・いい・・・・・・」 しっかりと奥深くまで、犬夜叉が自分を咥え込んだのを確認して、弥勒は我慢しきれずに激しく腰を突き上げた。 弥勒は目を閉じて余韻を楽しみながら、犬夜叉の背に回した両手でゆっくりと髪を梳くように撫でている。 「あの〜重いんですけど。 犬夜叉。 木から離れ、散り落ちてなお、花びらは恐ろしいまでに生々しく精気を放ち、犬夜叉は頭の上の桜を見上げる。 「なあ、弥勒!おれ今、いいこと思いついたぞ。 」 犬夜叉はふらふらと身体を起こして立ち上がり、乱れた衣も直さずによろめきながら1本の大樹の側に立った。 「弥勒が、おまえが・・・・・・最期に逝っちまう前に。 」 「なんです;縁起でもない。 私はまだまだおまえと長生きしますよ」 犬夜叉の温もりに逃げられ、物憂げに身支度を整えながら、弥勒が闇の中に浮かび上がる白い肌を見上げる。 「おれをこの林の桜の木へと封印しろ。 桔梗がおれを御神木へと封印したように。 楓ばばあは桜は長生きだって言ってたし、かごめの世界には樹齢300年以上の木があるそうだ」 「はい〜?」 またこのバカ可愛い犬妖怪めは何を言い出したか、と弥勒は驚いて素っ頓狂な声で訊き返した。 「おまえがおれをこの林の中へ封印して、おまえのガキどもに村人たちへと噂を流させるんだ。 ここへおまえがすっげえ強い妖怪をやっとこさ封印したから誰も近づくな、って。 」 まるで楽しい悪戯を思いついた無邪気な子供のように犬夜叉ははしゃぎ、続ける。 「そして、凶悪な妖怪と闘って封印したけれど私も力尽きて、って筋書き・・・・・ですか?」 くすくすと笑い声を上げる弥勒に、犬夜叉はいつものように怒り出すことも無く真顔のままで 「おまえのガキどもや孫どもが、おれが封印された木を暫くは守ってくれるだろう? いつか時が流れて、みんながおれの事も忘れる頃にはここいらも木が覆い茂っておれを隠してくれる。 そしてある時、封印された妖怪の伝説を信じたスケベなバカ法師がおれを探しに来るんだ。 」 夢見るように犬夜叉の眼は遠い未来を彷徨い、弥勒は呆れつつもそっとその崩れ落ちそうな身体を支えた。 「それが、私の生まれ変わり、ですか?やれやれ」 「ああ。 そうだ。 おれはずっとここでおまえを待ってる。 だからおまえはおまえにしか解けない呪詛をかけろよ」 「かごめ様や珊瑚が聞いたらたぶん吹き出して大笑いしますよ。 らしくない、って」 「うるせー!おめえがいねえ間におれが浮気してもいいなら勝手におれを置いて逝きやがれ;」 犬夜叉は、ぷいっと顔をそむけ、思い出したように頬を真っ赤に染めると、慌てて衣の前を合わせた。 「わかりました。 置いて行きません。 帰って来るまでここで待っててくれるなら」 「もし、おまえがおれを忘れちまってても、おれとおまえが出逢えば封印が解けるようにしとけよ。 そうすればおれは目が覚めた時に、ずっとおまえの事を覚えてるから。 だから、約束だぞ!」 (それならば、おまえがいない時間を寂しさに耐えながら待たなくて済むから) 続く想いを言葉に出せずに、顔をそむけた犬夜叉へと弥勒は一際明るく声をかけた。 「約束します。 すぐ戻りますから、きっと待っててくださいよ」 ・・・・・・なあ 弥勒・・・・・・これまで二人 長かったな・・・・・・ ・・・・・・ああ。 そうだな。 私は所謂「死にネタ」というのが好きではないので、今まで書かなかったし これも私の中ではそういう類とは思っていません。 桜の花びらは事前の打ち合わせで、作ってもらってあったんだけど。

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桜色舞うころ/メロディー

桜 いろ 舞う 頃

銀色の桜 舞う頃 銀色の桜 舞う頃 Never can say Good-bye 挿絵と桜の花びら:明良 ・・・・・・なあ 弥勒・・・・・・ 長かったな・・・・・・ ・・・・・・ああ。 そうだな・・・・・・ ・・・・・・そろそろ いくのか・・・・・・ ・・・・・・さすがに もうこれ以上は・・・・・・ おまえこそ いいのか・・・・・・ ・・・・・・おれは弥勒と ずっといつまでも 一緒だ・・・・・・ その日の夕暮れ、犬夜叉が数日振りに楓の村へ帰ってみると小屋には弥勒はいなかった。 代わりに殺生丸が連れていたはずのりんがいて、楓の手伝いをしながら夕餉の支度をしていた。 「あ、犬夜叉さま!お帰りなさい。 弥勒様はご一緒じゃなかったの?」 嬉しそうに駆け寄ってきたりんに少し戸惑いながら、犬夜叉は楓へと視線を向けた。 「帰って来たのか、犬夜叉。 殺生丸がりんを預けに来たんだが、おぬしとは会わなかったのか」 「けっ!知らねえよ。 なんであいつが。 それより弥勒はいねえのか?」 犬夜叉は傾いた西日が山の上へとかかるのを気にするように外を眺めながら、小屋の隅へと寝転んだ。 「殺生丸さまは妖怪たちがまた悪さを始めないように、邪見さまと遠くまで見周りに行きました」 「犬夜叉よ、おぬしも気づいておろう。 法師どのは隣村へご祈祷に行っておる。 もう戻る頃だ」 犬夜叉たちが奈落を倒して、しばらくはおとなしくなっていた妖怪たちがまたぞろ勢力を競い始めた。 奈落ほどの強大な力を持つ者がすぐにまた現れるとは思えなかったが、戦乱の世にはいくらでも 悪しき力の源となり得る人間たちの欲や妄念が次々と生まれ、闇の芽が妖しく蠢き始めていた。 かごめがこの世界へ戻って来ない今、強い退魔の霊力や法力を持つ者は数えるほどしか残っていない。 「けーっ!殺生丸の野郎、ここが一番安全だと嗅ぎ付けてりんを押し付けて行きやがったな」 それぞれの思惑に少々のずれはあれど、殺生丸も犬夜叉もそれを本能で感じて己の能力を磨くのに余念がなかった。 犬夜叉の場合、それはただ自分の大切なものたちを守りたいという一心であったが 桔梗に続いて、かごめという仲間が身近から消えた寂しさを紛らわせるためでもあった。 どこか面差しがかごめに似たりんは、殺生丸の言いつけを守ってかいがいしく楓の手伝いをしている。 「珊瑚と琥珀はまだ退治屋の里の片付けか?七宝はどうした?」 いつもなら楓の手伝いをしているはずの小狐と小猫の姿が見えないので犬夜叉は怪訝そうな顔をした。 「七宝なら。 狐神とやらのお使いが迎えに来て仲間の所へ行っておる。 特進昇段だそうな」 楓は面白そうに笑うと鍋の蓋を取り、切った菜花を放りこむと湯気が上がり甘い匂いが漂った。 「おれ、弥勒を迎えに行ってくる」 弥勒が一人で出ていると知り、犬夜叉は鉄砕牙を引っつかむと一目散に小屋の外へと駆け出した。 「やれやれ、あやつは法師どのの事となると自分の事はおかまいなしじゃな。 」 丸く大きな赤い夕日が半分山の端へと隠れたのを見ながら楓は、小さくため息をついた。 「くそっ、殺生丸の臭いにも気づかなかったって。 もう鼻が利かなくなってやがるのか」 心臓は普段より大きく拍動を打ち、駆けて行く一歩ごとに脚の力が抜けて速度が落ちていく。 息を切らせながら村はずれの大きな木の近くまで辿り着いた頃にはすでに日は落ち、夕闇が迫っていた。 いつもなら、枝を渡り跳躍し、頂上まで登れば村外れまで見渡せるのだったが、生憎その日は朔であった。 「おや、珍しい。 そこにいるのは犬夜叉ですか?」 いきなり樹上から声がして、犬夜叉が見上げると薄暮の暗がりの枝の中に人影が見えた。 「そんなとこで何してんだ、弥勒。 早く帰らねえと楓ばばあが心配するぞ」 思ってもみなかった場所から思いがけず探していた相手を見つけて、犬夜叉は密かに安堵の息をついた。 「おや、おまえは心配してはくれんのか?山すそに遅咲きの山桜が綺麗です。 おまえも上がって来い」 朔の夜だと分かっていながら、からかうような弥勒の口ぶりにいつもなら突っかかって行くのだったが 「バカやろ。 月も無い夜に木登りしてまで酔狂にも桜見物なんかできっか。 おれは先に帰るぞ」 普段人間よりも強い力を持つ分、朔の夜には人一倍非力になる犬夜叉はぷいと膨れっ面をして歩を返した。 登りたくても爪も力もなく、夜目も利かず、普段訓練をしている珊瑚や弥勒にも劣ってしまうのが情けない。 けれど、弥勒が一人でそんなところにいたのも気になって離れられずにいると、バサリと風が起こり弥勒が降り立った。 「相変わらず艶やかだな、犬夜叉。 何度見ても黒髪のおまえは愛らしい。 薄暗いのでよく見えないのが残念だ」 「ばっ、愛らしいなんてゆーな!あ、弥勒っ、おまえ怪我してんのか?」 豊かに流れ落ちる漆黒の絹のような犬夜叉の髪に触れようとした弥勒の手を払いのけようとして その手首に布が巻かれているのが見えて、犬夜叉は慌てて自分の手を止めた。 「たいした事はない。 ちょっと油断しただけだ。 かすり傷です。 少し、歩かんか、犬夜叉」 いつの頃からか、犬夜叉は朔の夜でも人間の姿を他人の前へ晒す事があまり気にならなくなった。 あれほど劣等感を持っていた半妖であるという事実すらも、今では誇りにすら思えていて それはすべて、弥勒たち仲間とのふれあいやつながりの中で生まれ、培われてきた思いだった。 けれど、一つだけ。 どうにもならない現実として、弥勒たちとは時の流れを同じくする術が無いのだった。 「実は今日、祈祷中に追い出した妖怪が予想外の強者でして。 慌てた私は何をしたと思う?」 奈落の呪いの風穴が消え、身近に迫った命の危険は去ったとはいえ、人である弥勒の寿命はあまりにも儚かった。 「なんでおれのいないうちに勝手に行きやがった!おれが一緒にいればそんな雑魚は・・・・・・」 ゆっくりと、一緒に歩を進めながら問いかける弥勒へと犬夜叉が吠えかかろうとして 「風穴をね、開こうとしたんですよ。 こう右手を掲げて・・・・・・おかしいでしょう」 右腕を犬夜叉へと向け、皮肉な笑いを浮かべる弥勒に、出かかった言葉を飲み込んだ。 「ばか・・・・・・だな」 「ばかですよ」 晩春の、生ぬるく煙ったような星明かりの下を二人は黙って歩き続け 柔らかな雑草の新芽が伸びかけた野原を横切り、雑木林の入り口に辿り着いた。 そこはかつて犬夜叉が初めて、子供たちと薬草を摘む桔梗を見つけた場所だった。 あの頃犬夜叉が隠れるのにはまだ細く小さかった山桜の木も、50年を経た今では大きく枝を伸ばし 満開の花と柔らかな新葉をつけて、風も無いのに白い花びらをしきりと降らせていた。 「『願はくは 花の下にて 春死なむ』ですな」 新しく伸びかけた桜の若木たちを見上げながら、弥勒がふとつぶやく。 「ばか、死ぬな!」 「違いますよ、私じゃありません。 昔のある法師が詠んだという歌です。 『その如月の 望月の頃』と続くのですが、今宵は月が無いなと思って。 その法師は望み通り如月の望月に没したそうですが、さぞや桜が美しかったろうと」 春の宵はとっぷりと暮れ、桜の花の白さだけがぼんやりと浮かび上がって見える。 犬夜叉が黙って荒々しくその場へ腰を下ろすと、衣に煽られた花びらが雪のように舞い上がった。 「おまえはずっと、こんな闇夜をひとりぼっちで幾夜と無く重ねて来たんだな」 そっと、犬夜叉の後ろへ一緒に並んで腰を下ろし、弥勒は闇の中へ右手をかざしてみた。 はっきりと互いの顔も見えぬ闇の中では、声の調子の変化にも微妙な心の乱れが伝わって来る。 犬夜叉は、そんな弥勒の心情を知ってか知らずか、妙に明るく爽やかな声音で尋ねた。 「なあ、弥勒。 おまえ、珊瑚は嫌いじゃねえんだろ?夫婦にならねえのか?」 「なんです、藪から棒に」 「おれは珊瑚も七宝も大事な仲間だし、好きだから守りてえと思う」 「それは私だって。 しかしおまえに対する気持ちとはまた別の・・・・・・」 弥勒が妙に落ち着かないのが面白いのか、犬夜叉はいつになく余裕ありげに笑いながら問う。 「なあ。 人間はいつか生まれ変わって来るんだろ?ほら、前におめえが言ってた、りんねえー」 「輪廻転生、のことですか?」 弥勒の答えを聞いて、犬夜叉は自分の両腕を頭の後ろへ組んで草原へ仰向けに寝転がった。 「おれ、決めたんだ。 おれ、頭がよくねえから難しい事はわかんねえ、けど」 その声は、何かを吹っ切ったような、不安や疑惑を微塵も含まない声音で、弥勒の方が慌て 上体をひねって、隣へ寝転んだ犬夜叉の側へと両腕をついて尋ねた。 「な、何を決めたんです」 「おれ、弥勒がおれをおいて歳を取っていっても、ずっとおまえの側に居る。 んで、おまえや珊瑚や七宝を守ってやる。 んで、もしも・・・・・・」 「もしも?」 「・・・・・・もしも、おまえが先に逝っちまったら・・・・・・またおまえに会えるまで待ってる。 かごめが桔梗の生まれ変わりだって言うなら、おまえだっていつかまた生まれ変わって来るだろ?」 犬夜叉の静かな落ち着いた声音は途中から震え声に変わり、語尾には縋りつくような響きが混ざった。 「奈落が、風穴の呪いでおまえの一族の未来を断ち切ろうとしたのなら、おれはおまえの未来を繋ぎてえ。 おれではおまえの一族の未来は繋げねけど、それでもずっと弥勒と弥勒の側に居てえ。 虫のいい話かも知れねえけど、珊瑚ならおれの、おれたちの気持ちを分かってくれるだろ?」 「いぬ・・・・・・夜叉・・・・・・けれど、別に生まれ変わるなら私の子孫でなくとも・・・・・・」 半分感動し、半分呆気に取られつつも、弥勒はこの場にふさわしい言葉を探しあぐねる。 「おめえは悪徳坊主だからな!普通の人間よりも穢れている分、生まれ変わるのが遅いはずだ! だからさっさと珊瑚におめえの子を産んで貰って、代々の子孫を増やすんでえ!! おめえの血が濃い分、おめえがここへまた生まれてくる割合が高くなるだろ?」 星明かりではろくに見えない視野の中でも、犬夜叉がむきになって睨み付けているのが見える気がする。 弥勒は思わず吹き出し、同時にあふれ出す幸福感と犬夜叉への愛しさが堪えきれずに大声で心底から笑った。 「はぁ、苦しいっ!笑い死にしそうです。 まったく・・・・・・おまえというやつは」 犬夜叉の影は黙って起き上がると膝を抱えて座り込み、頬を膨らませて弥勒が笑い終わるのを待っていた。 「それでも、なあ?弥勒」 「なんです。 犬夜叉」 「おれは珊瑚におめえを『預ける』だけだからな!おめえはおれのもんだ!!だから・・・・・・だから・・・・・・」 段々と語尾が細くなり、頼りなげに震え声になった犬夜叉は、広い衣の袖の下へ頭を埋めて小さくなっていく。 弥勒は黙って右手を犬夜叉の頭へ差し出し、クシャクシャと荒々しく漆黒の絹のような髪の毛を撫でてやった。 「だからたまには、おれのことも・・・・・・そのっ・・・・・・側に居て・・・・・・欲しい・・・・・・って言ってくれるか」 犬夜叉は今、きっと黒いつぶらな瞳を潤ませて、捨てられた仔犬のような眼をして見上げているんだろうに と、灯がないことを口惜しく思いながら、弥勒はそっと犬夜叉を抱き寄せ、耳元へ囁いた。 「本当におまえはばかですな。 何があっても、私はおまえの側にいます。 おまえは私だけの愛しい者ですから」 (ばかってゆーな!このクソ法師!) 声に出して答えたら、泣いてしまいそうで。 犬夜叉は黙って、弥勒の腕をぎゅっと掴んで引き寄せて抱き締め返す。 そのとたん、ふんわりと上体が浮き、後頭部に手が添えられてそっと仰向けに弥勒の腕の中へ横たえられた。 弥勒が何をしようとしているのかわかっても、犬夜叉の心は静かに凪いでいた。 初めての時のような、恐れや不安や猜疑心は微塵も湧かず、かといって冷めているわけでもない。 「おれを全部やる。 弥勒が全部欲しい」 少しの恥じらいと、求められる喜びと与えられるぬくもりとを感じながら、乾ききった唇が言葉を紡ぐ。 「いい覚悟だ。 後悔すまいな?」 弥勒は犬夜叉に答える間も与えず、そっと唇を口づけで塞いだ。 しかし、弥勒の柔らかな唇はすぐにその場を離れ、犬夜叉の耳たぶに、首筋に、喉元にと移動していく。 くすぐるような軽い刺激と熱い吐息に、半妖の時よりも柔らかく刺激に敏感になっていた犬夜叉の肌が反応し 「んっ・・・・・・ん、ン・・・・・・んんっ!はぁっ」 堪えきれなくなった犬夜叉の口元から甘い吐息が漏れ、片膝を立てて地面を蹴り、身体が揺れ始めた。 弥勒の右手は宙を舞うように動き、手際よく犬夜叉の衣と袴の紐を解いて緩めて行く。 犬夜叉の前身頃を緩め、胸元を肌蹴ると心臓の上に震える小さな実を口に含み、舌先で味わう。 「かつてはここに、風穴があった。 今はこうして直に、熱いおまえに触れられるのが嬉しい」 「はぁうっ!ぁ・・・・・・っ、あっ・・・・・・やぁ・・・・・・っ!」 弥勒の右手は犬夜叉がすぐに達してしまわぬように、波が押し寄せ切る直前に快感のツボを微妙に外す。 焦らされるもどかしさと切なさに、身をよじろうにも弥勒の腕にがっしりと抱きすくめられ動けずに 犬夜叉は伸ばした手の先に触れた弥勒の手を掴んで握りしめ、両膝を立てるとゆっくりと自ら開いて行った。 弥勒のしなやかで長い指が犬夜叉の蕾を押し開き、奥深くまで探り始めた頃には擦れた喘ぎに嗚咽が混ざり始めた。 「いつもより感じるんだろ?もうすぐここに・・・・・・私をあげますよ」 一番感じる場所をクイと押されて、ビクリと跳ねた犬夜叉の身体を後ろから抱き上げ 小さな子供を膝の中へ抱き取るように犬夜叉を座らせて、弥勒は熱くなった自らを犬夜叉の背中へ押し付けた。 「欲しいなら、呑み込んでみなさい」 犬夜叉の腰へと両腕を添えてやり、ゆっくりと自らの切っ先へと犬夜叉の蕾を導いてやる。 小刻みに震えていた犬夜叉の腰は弥勒に触れた途端一旦動きを止め、再びゆっくりと落ちて行く。 必死で息を吐き、痛みを堪えつつも弥勒を呑み込みながら、犬夜叉の髪が闇に溶けるように舞う。 「桜が・・・・・・今宵の私たちを・・・・・・見ていますよ・・・・・・」 「弥勒、おれ・・・・・・ぁあ・・・・・・いい・・・・・・」 しっかりと奥深くまで、犬夜叉が自分を咥え込んだのを確認して、弥勒は我慢しきれずに激しく腰を突き上げた。 弥勒は目を閉じて余韻を楽しみながら、犬夜叉の背に回した両手でゆっくりと髪を梳くように撫でている。 「あの〜重いんですけど。 犬夜叉。 木から離れ、散り落ちてなお、花びらは恐ろしいまでに生々しく精気を放ち、犬夜叉は頭の上の桜を見上げる。 「なあ、弥勒!おれ今、いいこと思いついたぞ。 」 犬夜叉はふらふらと身体を起こして立ち上がり、乱れた衣も直さずによろめきながら1本の大樹の側に立った。 「弥勒が、おまえが・・・・・・最期に逝っちまう前に。 」 「なんです;縁起でもない。 私はまだまだおまえと長生きしますよ」 犬夜叉の温もりに逃げられ、物憂げに身支度を整えながら、弥勒が闇の中に浮かび上がる白い肌を見上げる。 「おれをこの林の桜の木へと封印しろ。 桔梗がおれを御神木へと封印したように。 楓ばばあは桜は長生きだって言ってたし、かごめの世界には樹齢300年以上の木があるそうだ」 「はい〜?」 またこのバカ可愛い犬妖怪めは何を言い出したか、と弥勒は驚いて素っ頓狂な声で訊き返した。 「おまえがおれをこの林の中へ封印して、おまえのガキどもに村人たちへと噂を流させるんだ。 ここへおまえがすっげえ強い妖怪をやっとこさ封印したから誰も近づくな、って。 」 まるで楽しい悪戯を思いついた無邪気な子供のように犬夜叉ははしゃぎ、続ける。 「そして、凶悪な妖怪と闘って封印したけれど私も力尽きて、って筋書き・・・・・ですか?」 くすくすと笑い声を上げる弥勒に、犬夜叉はいつものように怒り出すことも無く真顔のままで 「おまえのガキどもや孫どもが、おれが封印された木を暫くは守ってくれるだろう? いつか時が流れて、みんながおれの事も忘れる頃にはここいらも木が覆い茂っておれを隠してくれる。 そしてある時、封印された妖怪の伝説を信じたスケベなバカ法師がおれを探しに来るんだ。 」 夢見るように犬夜叉の眼は遠い未来を彷徨い、弥勒は呆れつつもそっとその崩れ落ちそうな身体を支えた。 「それが、私の生まれ変わり、ですか?やれやれ」 「ああ。 そうだ。 おれはずっとここでおまえを待ってる。 だからおまえはおまえにしか解けない呪詛をかけろよ」 「かごめ様や珊瑚が聞いたらたぶん吹き出して大笑いしますよ。 らしくない、って」 「うるせー!おめえがいねえ間におれが浮気してもいいなら勝手におれを置いて逝きやがれ;」 犬夜叉は、ぷいっと顔をそむけ、思い出したように頬を真っ赤に染めると、慌てて衣の前を合わせた。 「わかりました。 置いて行きません。 帰って来るまでここで待っててくれるなら」 「もし、おまえがおれを忘れちまってても、おれとおまえが出逢えば封印が解けるようにしとけよ。 そうすればおれは目が覚めた時に、ずっとおまえの事を覚えてるから。 だから、約束だぞ!」 (それならば、おまえがいない時間を寂しさに耐えながら待たなくて済むから) 続く想いを言葉に出せずに、顔をそむけた犬夜叉へと弥勒は一際明るく声をかけた。 「約束します。 すぐ戻りますから、きっと待っててくださいよ」 ・・・・・・なあ 弥勒・・・・・・これまで二人 長かったな・・・・・・ ・・・・・・ああ。 そうだな。 私は所謂「死にネタ」というのが好きではないので、今まで書かなかったし これも私の中ではそういう類とは思っていません。 桜の花びらは事前の打ち合わせで、作ってもらってあったんだけど。

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